とある旧家を訪ねる |
39
九月の始め
街道の岩片(かけ)から
青いどんぐりのさがる
窓の淋しき
中から人の声がする
人間の話す音の淋しき
「だんな このたびは金毘羅参り
に出かけるてえことだが
これはつまんねーものだがせんべつだ
とつてくんねー」
ああ、なんと高い天井 |
詩のないところに詩がある
うつつの断片のみ詩となる
うつつは淋しい
淋しく感ずるが故に我あり
淋しみは存在の根本
淋しみは美の本願なり
美は永劫の象徴」
けやきの縁。感動した。 |
西脇順三郎詩集「旅人かへらず」の
詩の本質が、ずばり、詩の中で語られている。
「だんな・・・せんべつだとってくんねー」
なんというおもしろい言葉!
だけど、うちの近所の百姓のおっさんは
みんな元気にこんな言葉しゃべっているが、あれこそ詩なんだ。
安倍首相の言葉のどこを探しても詩はない。
百姓のおっさんのほうが数等格が上。
政治の言葉ほど詩にほど遠いものはない。
「詩のないところに詩がある」
「淋しく感ずるが故に我あり」
この日は、このような旧家を訪ね、長い人の営みの時間の長さ、
永劫を感じた。
途中福井によって、旧知を訪ねる。
私の行っている「山中さんを支援する会」の活動について話をする。
帰り道、電話が入って、「山中さんを支援する会」の通信のことで問題が発生したと聞かされる。
旅の余韻が吹っ飛んで、いよいよまた支援の会の用事をしようという気になった。
帰ったら、これも大学時代からの友人が、二時間前から待っていたと、庭の柿をもいで、柿を食べていた。その日は泊まりに来るということになっていたが、早くからきてくつろいでいたのだ。
蚊取り線香を焚いて、「蚊が多いなあ、ここは。」と言っていた。
何か間違っているのではないかと思った。
夕食:氷見で買ったタラでタラ鍋。カマスの塩焼き。
0 件のコメント:
コメントを投稿