32
落ちくぼむ岩
やるせなき思ひ
秋の日の明るさ
33
櫟(くぬぎ)のまがり立つ
うす雲の走る日
野辺を歩くみつごとに
女の足袋の淋しき
34
思ひはふるへる
秋の野
都に居る人々に
思ひは走る
うどの花が咲いてゐた
都の人々はこの花を知らず
秋の詩句が続く。西脇は秋がとりわけ好きだ。「野辺を歩く」ひと。「女の足袋」がいい。野を横切り歩む。
ときどき薮をのぞく。薮の中には藪柑子。野原を歩く、なんと人間的な。そして、さみしきこと。女の足袋を思い出して艶っぽいこと。
さてこの日、私たちは朝5時に車で富山に向かった。東海北陸道で、ひるがのまで一気に走る。
次は桜が池パーキングで時間調整。
一時間ほど、城端の町やその山を眺める。そして富山に。
神通川を渡って目的地に。
ここに訪ねたのが、私が7年前に四国お遍路を歩いていた時にお出合いした方である。この方と、私たちの氷見の親戚のことで、ご相談にあがるために、訪ねたのだ。
会社を創業されて45年。今は相談役。「富山湾を愛する会」の理事長。異業種交流会会長。人間の持てる力を全開して誰もが元気に働き幸せになる社会を実現しようと活動なさっている方。
10時から4時まで、いろんなお話を伺った。本当に偉い人とはこんな人、と私たちは思った。
神通川の運河に作られた閘門を見に行く。ちょうど水門が開かれ、海の水準まで船が下がっていくのを見た。誰が考えたのだろう、段差のある川を船で航行する仕掛けを。感動した。
中島閘門 |
そして、私も「山中さんを支援する会」の活動をお話しした。
お別れして、立山駅に行き、駐車場近くにてテントを張って寝る。快適な気候で、熟睡。無料。
一番安い宿だった。
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