2015年10月25日日曜日

備前の国 秋の旅


93

暗いはたごやの二階で
二子多摩川の鮎をたべた
三人の詩人と
そこは独歩の小説に出てくる
宿屋で大山街道に入口がついてゐた



(西脇順三郎詩集「旅人かへらず」)


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 朝から昨日約束した廃物廃棄の運搬をしてあげるため、四日市に行った。ゴミを引き受けてくれる施設の方は本当に親切だった。

 その帰りに郵便局と銀行によって、妻の風邪ひきさんを強引に医者に連れて行って薬をもらって、お昼はスーパーのお弁当食べて、帰ってくるまで寝ていろと約束させて、仕事に行った。

 えいやっとばかり元気に仕事をして、帰ったら妻がまだ寝ていたので静かに、自分も昼寝をした。起きたら6時だった。

 夕ご飯のキムチ鍋を作ってあったかく食べた。
林の道は歩む人をみまもる

 急に寒くなった、伊賀は最低気温が4度らしい。

 冬は駆け足でやってくる。

 紅葉も今年最後かと、もう一度見たいなあと思う。
紅葉の代わりに、北原白秋の「落葉松」を読んだ。

彼方に山を見ながら




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    落葉松
             北原白秋

からまつの林を過ぎて、
からまつをしみじみと見き。
からまつはさびしかりけり。
たびゆくはさびしかりけり。


からまつの林を出でて、
時に紅葉がむかえてくれる
からまつの林に入りぬ。
からまつの林に入りて、
また細く道はつづけり。


からまつの林の奥も、
わが通る道はありけり。
霧雨のかかる道なり。
山風のかよふ道なり。


からまつの林の道は
われのみか、ひともかよひぬ。
ほそぼそと通ふ道なり。
さびさびといそぐ道なり。


からまつの林を過ぎて、
ゆゑしらず歩みひそめつ。
からまつはさびしかりけり。
からまつとささやきにけり。


霧もうれし
からまつの林を出でて、
浅間嶺にけぶり立つ見つ。
浅間嶺にけぶり立つ見つ。
からまつのまたそのうへに。


からまつの林の雨は
さびしけどいよよしずけし。
かんこ鳥鳴けるのみなる。
からまつの濡るるのみなる。



世の中よ、あはれなりけり。
常なけどうれしかりけり。
山川に山がはの音、
からまつにからまつのかぜ。

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