2015年10月29日木曜日

小ゲラ


10月28日

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春はまだ浅い
ようこそ、ゲラちゃん、再見!
山々はうす黄色く
松林が黒くぼけてゐる頃
石川先生と多摩の丘陵を歩く
谷に水車がまはってゐた
『文学や絵でかくと美しいが
あんな所で実際住めるものぢゃない』
とチーズを包んだ弁当をあけながら
さう云った
坂を下って畑の中をあるくころ
『わたしが木曽の山の中を歩いた時
山の中に家があったので
昼飯をやるに都合のよいところで
あると思ったので、その家を訪れた
誰も出て来ないから
かまはず障子を開けて畳の上で
ころがり休んだことがある
後から考えてみるとそれは村の
避病院であった』
と笑ひ顔して行った
路ばたで鶯が鳴いてゐた
『あの鶯の鳴き方はうちの八百屋の
小僧が自転車にのりながらまねする
鶯の声より下手だ』
不動も詣らず帰った
鶉(うずら)の鳴く日の如く淋しかった

(西脇順三郎詩集「旅人かへらず」)

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この石川先生は、可笑しい。鶯の鳴き方の話は、石川先生の真骨頂だ。何にでも、発見は可笑しい。

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午前中、仕事。帰って大根畑の土寄せ。



 今日は、我が家の庭の柿の木に、こゲラ三羽がやって来た。樹皮をつついて虫を取っていた。おまけにドラミングまでしてくれて、妻が喜んだ。
カメラを持ってきて撮った。上の写真がそれです。満足です。


 こゲラが帰ったころ、6人のお客があった。
山中さんの判決が、本当は29日だったので、すでに津市に宿泊の予約をした人が集まって、「山中さんを支援する会」の代表の私の家に、激励に来てくれたのだ、栃木・石川・福井から来た人もいた。
津地裁の判決延期がうらめしい、と言われた。
「支援の会、頑張って下さい」と言われた。

 
 Ma Fammeは畑でとれたあずきでぜんさいを作って饗してくれた。みなさんは、満足して帰られた。

こゲラが来てくれたのと同じくらいうれしかった。

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「棄てる👹あれば、拾う神あり」だ。       (答え・鬼)

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