10月12日(祝)のこと
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秋の日も昔のこと
むさし野の或る村の街道を歩いてゐた
夕立が来て或る農家の戸口に
雨の宿りをした時に
家の生垣に
かのこといふ菓子に似た赤い実
がなってゐた
「我れ発見せり」と思った
それは先祖の本によく出てくる
真葛(さねかづら)とか美男葛といふもの
その家の女にたのんで折り取った
女は笑ふ「そんなつまらないもの」
をと だが
心は遠くまた近い
(西脇順三郎詩集「旅人かへらず」)
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少し成金趣味かも・・・ |
それもいい。
女は「そんなつまらないもの」と、いつも笑う
それは、太古からのことかもしれない。
それでいいのだ。
西脇のとぼけた世界が私は好きだ。
「心は遠くまた近い」という、これは営々たる人類の永続と
サネカズラやビナンカズラやヘクソカズラなどの植物たちの
永遠の営みを思って、ぼう然となっているのだ。
時にはぼう然となるのも
大事なのかも・・・。
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この日は、朝から義娘のところに、不要になったソファと要らなくなった箪笥とをもらいに行った。家に持ち帰り玄関に置くとさらに立派なタンスになった。ソファは人にあげた。
午後は、「山中さんを支援する会」の会議をした。
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