10月16日(金)のこと
80
なんの紅葉か? |
むさし野に立つ
ぬるでの下に
81
昔の日の悲しき
埃のかかる虎杖(いたどり)
木の橋の上でふかすバット
茶屋に残るリリー
82
鬼百合の咲く
古庭の
忘らるる
こはれた如露(ジョーロ)のころがる
83
雲の水に映る頃・・・ |
雲の水に映る頃
影向寺の坂をのぼる
薬師の巻毛を数へる秋
すすきの中で菓子を食べる
帰りに或る寺から
安産のお札を買って
美術史の大学院生にやった
なにのたたりかかぜをひいた
(西脇順三郎詩集「旅人かへらず」)
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なんと、今日は一気に80から83まで掲載。
80の「ぬるで」は白膠木(ぬるで・・・しろいにかわの木という意味の名前か?)という字。紅葉は真っ赤。かぶれる人もいる。
83は大好きな詩。
「雲の水に映る頃」、とか「薬師の巻き毛を数へる秋」、最高である。「美術史の大学院生」は女性だと思うが、どうだろうか。
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この日のことは、書きたくないほど忙しい日だ。
朝10時に身過ぎ世過ぎの学校勤めだ。
テストの採点を2時までぶっ続けでやる。
そこに妻が車のスターターがかからないから仕事に行けないという。急きょ帰る。そして仕事場まで送る。
帰りに、予定していた方を訪問。その方は優雅に自邸の庭の松の木の剪定をしておられた。剪定についての蘊蓄を聞く。
上がってお話を聞く。大福もちをいただきながら。
いつも楽しいお話だ。
ミカンと梨と浜から上がったばかりのイワシをいただく。
帰途、友人の風邪をひいたのを見舞う。
帰ったら、もう客人が来ていた。「山中さんを支援する会」のメンバーの一人だ。その晩は三人で明日の会議の資料を作る。
その客人はヘビースモーカーであり、我が家の久々の燻し・除虫・虫送りの行事だ。
たばこのたたりかかぜをひいた。
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