2015年11月14日土曜日

11月13日(金ようび)のこと


112
葉が落ち、て実が残り、実は春を待つ

とき色の幻影
山のあざみに映る
永劫の流れ行く
透影(すきかげ)の淋しき
人のうつつ
あまりにはるかなる
この山影に
この土のふくらみに
ゆらぐ色

(西脇順三郎詩集「旅人かへらず」)

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「とき色」 トキの翼の裏と風切り羽との色。薄桃色。

「透き影」 隙間から見える影。
       暗いところから明るい方を透かして見た時にみえる姿。

「幻影」であったり「うつつ(現実)」であったり、人の世の人の営みは、土のふくらみやあざみや山影にくらべても、どうも値打ちがないとかはかないとか、たいしたものではないらしい、そんな気のする詩だと思う。

早くもボケの花が・・・

野原には逆に人の情念のようなものが宿っている気もする。

人は、昔、幼い時におののいたような風の音や薄のおいでおいでなどに時々は触れてみるのが大切なような気がする。

野原をアスファルトで固めて人間が闊歩するようでは民度が下がる一方だ。
野原を歩かなくてはいけません。

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今日、畑の中を歩いた。曇り空。さつきの苗木の植わった畑の中、縦横に歩いた。イチゴの苗を植えている人がいた。溝の落葉をさらっている人。枯草を焼く人。皆それぞれに、土になじんでいる。
すばらしいことだと思った。

かくも巨大な・・、黄熟を待つ





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