2015年11月8日日曜日

本草学


11月5日のこと

108

むくの実が坂に降る頃
根を煎じて服用したいと思った
ゴブラン織りをあけて
かなしげなる窓を開いて
ぼけた遠山の方へ飛ぶ水鳥
渡し守の煙草を吸ふのを
眺めてゐると
昔読んだ小説の人々が生霊
の如くやつてくる
一緒になりまた別れる
悪霊を避けよ
苦しき立場
レモン畑
かみそりの歯
猿女房
と次から次へとやつてくる
その辺にゐる本当の人間の方
が幽霊に見える

(西脇順三郎詩集「旅人かへらず」)

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最近は、この詩のように、「本当の人間の方が幽霊に見える」ことが、
確かにあるのだ。

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この実も頻尿に効きそうだった

朝から一日仕事。帰りに腹が痛みだす。帰って苦しむ。静かになる。
白湯が一番と思うようになる。ごはんはおかゆに代わる。
お腹痛となんだか尿道に痛み。言葉少なに、横臥。
「悪霊」に魅入られたようになる。
何かの祟りかもしれない、加持祈祷も効かない、最悪の状態である。
京都に住むS先輩の頻尿を少し憐れんでいたのだが、自分にも来たと
天罰を感じて休んだ。
花を食べたくなった

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