我が庭より北を仰ぐ |
三好達治を読む。
中に、一編の詩。
もう7年になるか、死んだ友人の好きだった詩、「遠き山見ゆ」。
彼は、達治の「こころざしおとろへし日に」も好きだった。
純粋な人だった、いつも含羞の人だった、毎晩ウイスキーを一本あけた人、毎晩文章を書いた。
なぜ急いで逝ったのですか。
遠き山見ゆ
遠き山見ゆ
遠き山見ゆ
ほのかなる霞のうへに
はるかにねむる遠き山
遠き山々
いま冬の日の
あたたかきわれも山路を
降りつつ見はるかすなり
かのはるかなる青き山々
いづれの国の高(たかやま)山か
麓は消えて
高嶺のみ青くけむれるかの山々
敬愛する先輩を訪ね欄の咲くを見る |
彼方に遠き山は見ゆ
彼方に遠き山は見ゆ
ああなほ彼方に遠く
われはいまふとふるき日の思い出のために
なつかしき涙あふれいでんとするににたる
心をおぼゆ ゆゑはわかたね
ああげにいはれなき旅人のけふのこころよ
いま冬の日の
あたたかきわれも山路を
降りつつ見はるかすなり
はるかななる霞の奥に
彼方に遠き山は見ゆ
彼方に遠き山は見ゆ
今日、実家に老母を訪ねる、元気に暮らしていた。懐かしい故郷は猿の群れに困り果てていた。60匹の群れが大挙して押し寄せたらしい。
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